2020年の東京オリンピックの競技種目に選ばれて以来、注目度が増すボルダリング。その競技人口は60万人にも膨らみ、国内のボルダリングジムはここ5年で倍加。なんと全国で500件にも上るといいます。
そんなボルダリングを始める人の理由はさまざま。エクササイズとして、ゲーム性を求めて、はたまた暇つぶしとして……。しかし、いざ始めてみたものの、ボルダリングに熱中し、続けていく人は多くはありません。では、そんななかボルダリングにハマる理由とは。
今回は、美容師・植田洋子さんのライフスタイルから、その魅力を紐解きます。
Photograph : Hao Moda
My Life as a Hairdresser

美容師を始めたのは
「ヘアカラーやネイル、ファッションを自由に楽しみたかったから」
そう話すのは植田洋子さん。恵比寿にある美容室「OPSIS」で働く美容師です。美容師として働きだしたのは20歳のころ。もともと会社勤めに興味がなかった彼女は、美容の専門学校に進学、都内の美容室で働きはじめ、現在に至ります。
「当時、一人前の美容師になるには、たくさんの試験に合格する必要がありました。たとえばシャンプーはシャンプーの、カラーはカラーの試験があって。それらすべてを合格することで、アシスタントからひとりのスタイリストになれたんです」
美容師、それは一見華やかな世界ですが、スタイリストとしてデビューするまでにはおよそ4年はかかるといいます。
美容師という仕事、至福は「思い通りになったとき」
美容師として働くことの魅力を聞くと、「思い通りになったとき」と答えてくれました。それは、お客さまのリクエストや理想、そして自分が思い描いたイメージのカット・スタイリングができたときだそう。
「1日にかかわる人の数が多くて、しかも年代や業種も問わない。そのおかげで、相手の気持ちをくみ取るのは得意だと思います。お客さまの表情を見れば、満足していただいたかわかります。それに、人にはいくつかパターンがあって(笑)。そのパターンを分析して、話題の内容や話し方を考える。でも、同じ人でも日によって状況が違うので、見極めが必要。引き際も考えながら話すんです」


会話をしながら、相手が理想とするスタイリングの実現を目指す。そうしてできたものをお客さまが見たときの反応は、すぐにわかるといいます。
「イメージと一致しだんだなってわかるときは、本当にうれしいですね」
さらに植田さんは、美容師という存在を「不思議な立ち位置の人」と話します。
「友達でも同僚でもないので、その日話したことを私がだれかに伝える心配がない。知らない人だからこそ話しやすいこともある。そのせいか、初めて来店された方からいきなり恋愛相談を受けることもあります(笑)。おもしろい人間関係ですよね」
OPSIS
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