
「ビッグイシュー」誕生秘話から学ぶ、思い込みを捨てる重要性
新しい環境で自己紹介をするとき「これまでの経験を生かしてがんばります」と言う人は多いのではないでしょうか。たしかに、自分がこれまで失敗したことや成功したことを、これからの仕事に生かしていくことは重要なことです。
でも、過去の出来事があなたの中に偏見や思い込みを生んでいるとしたらどうでしょう。それを捨て去ることで、これまでまったく思いつかなかったアイデアをひらめいて、新しい道を切り開けることだってあるのです。
今回は、西沢 泰生 著『読むだけでポジティブになれる 超一流の人のちょっと深い話』を参考に、思い込みを捨てることの重要性についてご紹介します。
雑誌「ビッグイシュー」が誕生した理由
『ビッグイシュー』という雑誌をご存知でしょうか。内容は世界で起きている時事ニュースや、ライフスタイルの関する記事、有名人のインタビューや映画、音楽などのエンタメ情報。実はこの雑誌、一般の書店には売られていません。販売しているのは、住所や身分証がないため仕事に就くのが困難なホームレスの人たちなのです。

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『ビッグイシュー』が生まれたのは、イギリスのロンドン。ホームレスの人たちが、自立し社会復帰できる手段の一つとして誕生したそうです。発案者は、化粧品会社『ボディショップ』の創設者であるゴードン・ロディック氏。彼は、古い友人でありホームレス経験のあったジョン・バード氏にこのアイデアを持ちかけたのだそう。チャリティに対して否定的な考えを持っていたジョン・バード氏でしたが、ゴードン・ロディック氏から「チャリティではない。これはビジネスの話だ」と言われ、市場調査を行います。
そして、彼がインタビューしたホームレス男性からの一言に、このビジネスの成功を確信します。その言葉は、「物乞いをするくらいなら、何でもする」。
気づかないうちに生まれる偏見や思い込み
『ビッグイシュー』誕生したのは、いくつもの偏見や思い込みを取り除くことができたからなのではないでしょうか。まずは、ホームレス支援はチャリティでなけれなばらないという思い込み。そして、ホームレスは働く意欲がないだろうという勝手な決めつけです。
偏見や思い込みは、そこにある真実や新しいアイデアを見つける目を曇らせてしまうのです。
もちろん、偏見や思い込みを捨てるのが重要なのは、仕事や他人に対することだけではありません。
自分への思い込みも、未来の可能性を狭めてしまう呪いのようなものです。“これまでやってきたこと”だけではなくて、“これから自分がやりたいこと”に目を向けることが大切なのではないでしょうか。
【参考】
※ 西沢 泰生著 読むだけでポジティブになれる 超一流の人のちょっと深い話(アスコム 刊)
【画像】
※ Songquan Deng / shutterstock
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