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見落としがちだけど、知っておきたい紫外線の髪への影響

2017.06.29 21:00

だんだんと気温も上がり、紫外線が気になる季節になってきました。毎年ばっちり対策をしているという方も忘れがちなのが、髪の紫外線ケア。

そこで今回は、そもそも紫外線って何?という基本的なことから、今年の夏から見直したい日々の対策まで医学博士の川上貴史先生に教えていただきました。

 

紫外線の基本知識をおさらい

-夏の紫外線、やはり強いのですか?

少し専門的な話ですが、紫外線とは目で見える可視光線と呼ばれるものの中で紫色よりも波長が短いものであり、目に見えないもののこと。

実は一年中降り注いでおり、一年を通じて6~8月が最も強くなります。時間帯では正午が一番強くなるため、6~8月の正午付近が最も紫外線が強いといえます。(※1)

-紫外線には種類があるといいますが。

紫外線にはUVA(95%)とUVB(5%)があります。どちらも波長が短いために身体に留まってしまい、日焼けやシミ・シワなどさまざまな影響を与えるといわれています。

 

紫外線の肌への影響は?

-紫外線の肌への影響というと、いわゆる“日焼け止めを塗る場所”をイメージしがちですが、よく考えると頭皮や毛髪などが無防備になっているように思います。頭皮や毛髪にも、紫外線の影響はあるのですか。

毛髪は紫外線の影響を直に受けるために影響が最も起こりやすいと考えられます。毛髪に対して紫外線が当たり続けると、髪の毛がパサついたり、キューティクルがはがれてしまったり、変色してしまったり……などといったことが引き起こされてしまいます。

これは毛髪の一部がタンパク質で構成されているために、紫外線によってダメージを受けてしまっているからだと考えられます。(※2)

続いて、頭皮には毛母細胞という髪の毛そのものを作り出す細胞があります。紫外線がこの毛母細胞がダメージを受けると、抜け毛が多くなってしまう可能性も指摘されています。(※3)

また同時に、髪の毛の色を構成する“メラニン色素”の生成が紫外線ダメージの影響を受けると、頭皮から生えてくる毛髪が白髪となってしまう可能性も考えられます。

 

どんなケアをすればいい?

-なるほど。とはいえ、紫外線を完全にシャットアウトする生活をするのは難しいですよね。日々、どんなことをして対策すればよいのでしょうか。

一般的に服を着ているとその部分が日焼けしにくくなります。これは服によって紫外線からの影響をできる限り抑えているからです。

しかし、髪の毛の場合はそのまま露出してしまっているというケースも多いので、帽子などで紫外線から守ることが重要です。

自宅では必ず丁寧なヘアケアを行うようにしましょう。特にお風呂でのケアが重要になると考えられます。

どうしても清涼感のあるようなヘアトニックなどを使用したくなってしまいがちですが、これらにはアルコールが含まれていることがあります。アルコールは揮発しやすい性質があり、その場合さらに髪の毛が乾燥してしまい、ケアにならない可能性があります。(※4)オーソドックスですが、自分に合うシャンプーやコンディショナー、そしてトリートメントなどでヘアケアを行うようにしてみてはいかがでしょうか。

 

いかがでしたか? 日々の生活を見直して、しっかりケアを行っていきたいですね。

 

【取材協力】

※ 川上貴史…北里大学大学院医療系研究科医学専攻博士課程修了、医学博士。予防医学を専門とし、医学的に美と健康に主眼を置き研究を続ける。各種教育機関や講演会において予防の重要性を啓発している。

【参考】

※1 紫外線環境保健マニュアル2015, 環境省(2015), P6-7

※2 渡辺 智子,  毛髪の紫外線ダメージ—評価指標とダメージケア—, 日本化粧品技術者会誌
Vol. 48 (2014) No. 4 p. 271-277

※3 Cserhalmi M1, et al,. Alopecia areata caused by extreme solar abuse, Orv Hetil. 2006 Aug 20;147(33):1573-7

※4 毎日新聞, 医療プレミア,  間違いだらけの夏の抜け毛対策

【画像】

※ Aleshyn_Andrei / shutterstock