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平凡が才能を超える!「繰り返す」ことのススメ

2017.12.29 23:30

日本のものづくりには定評があります。伝統的な陶器からハイテク商品に至るまで、いずれもクオリティが高く、長持ちするといわれます。その秘訣は何度も同じ作業を繰り返す点にあるように思います。

今回は、小川仁志 著『哲学者が伝えたい 人生に役立つ30の言葉 和の哲学編』を参考に、努力の尊さについてお話ししたいと思います。

 

繰り返しの先にある自由

たとえば、刀をつくるシーンをテレビなどで見たことはないでしょうか。熱してはたたくを何度も繰り返すことで、上部で切れ味の鋭い日本刀ができあがるのです。

日常生活においても同じことで、ものごとをマスターするためには、反復が不可欠なのです。粘り強く同じ動作を繰り返すことで、高い質を生み出すわけです。おもしろいのは、そうすることで人は自由を獲得するという点です。

最初は台本を読みながら、ひとつひとつ手元を見ながらしていた作業が、何度も繰り返すことで、あたかも手が勝手に動いているかのように思えてきます。笑いながら、離れ業をこなす。その状態を自由といっているのです。

 

「反復は熟達の母」

「反復は熟達の母である」というのは、すべてのことにあてはまります。そう考えると、仕事で評価されない人は、反復が足りないのだといっていいかもしれません。手足や口、そして頭が勝手に反応するほど、何度も繰り返す経験を積めば、おのずと評価されるようになるのではないでしょうか。

つまり、熟達は結果に結びつくのです。

何かすごく大変なことを言っているように聞こえるかもしれませんが、これはある意味では救いがあります。なぜなら、常に新しいものを生み出さなければならないのと違って、「同じことを続ける」、つまり努力次第でなんとでもなるわけですから。

 

芸術家と職人の違い

この世にひとつしかない名作をつくる芸術には、卓越した才能が求められます。これは努力だけではいかんともしがたいものです。

これに対して、日常使うものに求められるものは、努力のみです。しかも、ただ反復するだけでいい。そうやって完成したものは、芸術作品に勝るとも劣らない高い質を誇りうるのです。

言い換えれば、あなたが普段やっている仕事も、日々の努力次第で芸術家の仕事に匹敵するような、オンリーワンの存在になることができるのです。

 

繰り返すということは、精神的に辛い一面もあるかもしれません。しかし、大切なことはやるか、やらないか、それだけです。

日々の努力が、稀有な才能をも上回ると考えれば、その苦しさの先にある輝きに心踊らせることができるのではないでしょうか。

 

【参考】

※ 小川仁志 著『哲学者が伝えたい 人生に役立つ30の言葉 和の哲学編』

 

【画像】

※ Maksim Toome / shutterstock

 

 

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