
「ちょっとの勇気」が人生を救う。大切な人を幸せにするためのことば
約10年にわたり、“文字職人”という仕事を通して数えきれないほどの悩みや人生に触れてきた杉浦氏。
その人生は、たったひとりの友人の勇気に救われたそうです。
今回は、杉浦誠司 著『負けないで 心がスッと軽くなる30のことば』を参考に、勇気とはなにかを教えてくれる話をご紹介します。
人気者からいじめられっ子へ
文字職人とは、いくつかのひらがなでひとつの漢字をつくる『めっせー字』の生みの親で、文字の力で人に笑顔や勇気を与える杉浦誠司氏の代名詞です。
そんな杉浦氏は小学2年生のとき、名古屋市から岐阜県多治見市の小学校に転校します。
名古屋市の小学校は比較的勉強が進んでいたため、転校したころはほかの生徒よりわかる授業がいくつかありました。それもあってクラスメートに「頭がいいヤツが転校してきたぞ」と注目され、人気者になったのです。
それをよく思わなかったのが、クラスにいたガキ大将。あるとき、彼からクラス中に大号令がかかり、あっという間にクラスの中で孤立してしまいました。
数日であれば耐えられたかもしれませんが、毎日のように続くと人の心は病んできます。家に帰れば、2階の部屋にこもって泣く日々が続きます。
くじけない。その先に光あり
日常化してしまったいじめに耐え抜くと、学校に残る用事があり、下校するのが遅くなってしまっていました。すると、かつての友だち(今はいじめを傍観する一人)が教室に入ってきて、ぼそっと一言。
「せいちゃん、一緒に帰ろう」
耳を疑いました。彼はクラス中に無視されていた僕を誘ってきたのです。
心の中で、二人の自分が葛藤します。喜んでいる自分と、彼もいじめに遭うんじゃないかと不安になる自分です。
「ダメだよ。お前もいじめられる。やめとこう」
彼は、おどけた仕草で教室中を見渡すと、「誰もいないから大丈夫」。本当に嬉しい瞬間でした。
たった一度の勇気が現状を打破する
彼が勇気を出して、「一緒に帰ろう」と言ってくれたおかげで、翌日に一人、また次の日にも一人と、一緒に帰る友だちが増えていきました。
杉浦氏は、最初に声をかけてくれた友だちの姿を通して、勇気とは、自分は何者なのか意思表示することだと教えられたのです。それは、自分の立ち位置を明確にするということ。そのことばや行動は、誰かを幸せに導く強い力になります。
あなたも勇気を出して行動するか、自分の身を守るためになにもしないか、迷うことがあるでしょう。
自分を守ることも決していけないことではありません。それでも、あなたのたった一度の勇気で誰かを幸せすることができるということを覚えておいてください。
【参考】
※ 杉浦誠司 著『負けないで 心がスッと軽くなる30のことば』
【画像】
※ 2xSamara.com / shutterstock
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